こんにちは。
今回の記事ではメキシコにて2026年に適用される最低賃金について書かせていただきます。
そして最低賃金の上昇や物価の上昇が企業の人事戦略に与える影響とは何でしょうか。考察してみます。
最低賃金について
まずはじめに、メキシコで2026年から適用される1日あたり最低賃金は下記のように変わりました。
一般賃金:278.80ペソ→315.04ペソ
北部国境付近ゾーン:419.88ペソ→440.87ペソ
メキシコでは一般的に北地域とそれ以外の地域という2つで賃金が設定されています。

メキシコの現大統領シェインバウムさんは大統領就任時点から18個の行動を掲げており、そのうちの一つに最低賃金の引き上げが含まれています。これは企業にとっては負担となりますが、このような傾向は当分続いていくと考えられます。
(引用元政府ウェブページより)
https://www.gob.mx/conasami/articulos/incremento-a-los-salarios-minimos-para-2026?idiom=es
インフレ率について
さて、インフレ率についてはいかがでしょうか。
賃金上昇とインフレ率というのは深く関りがありますが、メキシコの公式(INEGI)が発表した情報によると、前年同月比(1月)にて上昇率は3.79%とのことです。
企業へ与える影響とは?
次に上記のような傾向が現在、今後と企業に与えている影響について考えてみます。
主にメキシコにあるすべての日系企業が直面しうる3つの問題及び対策・傾向について記載していきます。様々な企業様とお話をさせていただく中で、具体的に日系企業は下記3つの影響を受けているようです。
- 人件費の上昇
- 利益率の低下
- 適性人材の確保
一つずつ説明させていただきます。
人件費の上昇
人件費の上昇については、これは当然付随して起こることであり特に製造業等では大きく影響を受ける場合があります。
それに伴い、少し役職が上だった従業員が賃金やインフレ率の上昇によって給与が逆転したという話も伺ったことがございます。そのため、毎年の給与の見直しや評価制度の見直しというものが必然的に大事になってきている段階だと感じております。
利益率の低下
利益率の低下については、企業がインフレや最低賃金上昇による費用の増加を顧客へ反映することがなかなかできないという点から生じています。そのため、よくあるパターンは仕入れ先からの値段改定を要求されて承認したが、その上昇価格分を納品先へ反映できず、その会社でその費用分を負担するという形です。これは価格の交渉や変更というものが納品先とすぐにできるというわけではないため大きく影響を受けてしまうケースになります。
適性人材の確保
適性人材の確保という点では、適正な価格での人材の確保が難しくなってしまっているということです。
インフレ率や最低賃金の上昇とともに、メキシコでは人材マーケットのそもそもの給与水準が上がっている傾向があります。そのためよく起こる問題が「このくらいのスキルの人なら給与は○○MXNだな」という企業の感覚と、実際の人材市場の相場観が異なるということです。このような現象が起こる現象としては日系以外の外資系企業の影響及び最低賃金の引き上げといった政治的な影響が関係してきます。
日系企業の対応策について
これらのような事象に対して対応するためには様々な方法がございますが、その一例を紹介させていただきます。
まずは企業側の視点から考えてみると、「利益率を低下させない」や「長期的な策を講じる」ということが大切になってきます。一部の企業では既にそのような取り組みをしており、競争力を高めることが可能になっています。
「利益率を低下させない」
こちらについては、サプライヤーからの値上げに関しては受け入れなければそもそも生産ができなくなってしまうためもちろん受け入れざるをえないパターンがほとんどだと思います。原材料費は上昇するのは避けられないため、他の部分での費用に力を入れる必要がございます。財務的な視点では、原材料費の上昇分を人件費や雑費のような項目の整理、評価制度を上手く運用することで相対的な利益率を維持することが可能なる場合がございます。
「長期的な策を講じる」
こちらもいくつかの企業は既に取り組んでいることにはなりますが、具体的な長期的な策とは何でしょうか。
最低賃金の上昇は止まりません。
問題は「上がること」ではなく、「制度が追いついているか」です。
人事制度・報酬テーブル・組織設計を再点検するタイミングに入っていると言えるでしょう。
・ニアショアリングを利用した体制の構築
・社内制度の見直し、長期的な効率重視の体制の構築
上記のようなことを実行することで競争力をつけていくことも可能になります。
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