こんにちは。1990年代にメキシコへ駐在し、IMSSへ加入していた方は、現在もメキシコのAFOREまたは旧SAR制度に退職積立金が残っている可能性があります。
しかし、帰国から長期間が経過している場合、次のような問題によって口座や残高を確認できないことがあります。
- 当時の社会保障番号(NSS)が分からない
- CURPは確認できるが、NSSとの紐付け状況が不明
- どのAFOREに登録されているか不明
- そもそもAFOREに正式登録されていない
- 1992年から1997年までのSAR 92資金が現在の口座に反映されていない
- 日本からメキシコのサイト、アプリを利用できない
- 氏名、生年月日、CURPなどの登録情報が一致しない
この記事では、1990年代にメキシコで勤務していた日本人元駐在員を主な対象として、AFORE口座の確認から手続きの流れについて書かせていただきます。
1990年代にメキシコで働いていた場合、AFORE資金は残っていますか?
当時IMSSに加入し、勤務先が退職関連の拠出を行っていた場合、本人名義の退職積立資金が残っている可能性があります。
ただし、1997年7月に現在のAFOREを中心とした個人口座制度が始まったため、勤務時期によって資金の管理方法が異なります。
特に、1992年5月から1997年6月までIMSSに加入していた方は、旧制度で積み立てられた「SAR 92」および住宅関連の「INFONAVIT 92」の資金が関係する可能性があります。
1990年代の勤務歴があるからといって、資金が自動的に現在のAFORE口座へ正しく統合されているとは限りません。現在の口座明細にSAR 92の残高が表示されない場合、過去の拠出記録を確認し、資金の検索や統合手続きが必要になる場合があります。
SAR 92とは何ですか?
SAR 92とは、現在のAFORE制度が始まる前に運用されていた退職積立制度の資金です。
IMSSの場合、主に1992年5月から1997年6月までの拠出が対象になります。この期間にメキシコで勤務していた方は、現在のAFORE口座とは別に管理されていた資金が存在する可能性があります。
SAR 92資金を現在のAFORE口座へ統合するためには、通常、先に本人がいずれかのAFOREへ正式登録されていることが必要です。また、本人確認記録や当時の勤務・拠出を証明する資料を求められることがあります。
最初に確認すべき4つの情報
1.CURP
CURPは、メキシコ政府が個人を識別するために発行する番号です。
政府の発行のPDFを取得できる場合、そのCURPが政府の登録システム上に存在していることは確認できます。
ただし、CURPのPDFを取得できることと、そのCURPが昔のIMSS記録やNSSへ正しく紐付いていることは別の問題です。
2.NSS
NSSはIMSSが発行する社会保障番号です。AFORE口座や過去のIMSS加入記録を確認するうえで重要な番号となります。
当時のNSSが分からない場合は、次の資料にNSSが記載されていないか確認します。
- 当時の給与明細
- IMSSのAltaまたはBaja
- Constancia de semanas cotizadas
- AFOREの旧Estado de Cuenta
- INFONAVIT関係書類
- 当時の会社が保管する給与・社会保険資料
1990年代と2010年代など、複数回メキシコへ赴任している場合には、勤務時期ごとに異なるNSSが発行されていないかも確認が必要です。
3.現在のAFORE管理先
本人の個人口座がどのAFOREまたは管理機関に置かれているかはウェブにて確認が可能です。
検索結果として、特定のAFOREではなく、
「Tu cuenta Individual se encuentra asignada en PRESTADORA DE SERVICIOS」
と表示される場合があります。
これは、個人口座が存在する一方で、本人が通常のAFOREへ正式登録していない、または口座が割当状態にある可能性を示しています。
その場合は、まずはAFORE機関への登録が必要になります。
4.AFOREの残高と銀行明細
インターネットでAFOREの確認をできるのは、原則として口座の管理先のみです。その画面だけでは残高を確認できません。
口座が特定のAFOREへ正式登録された後は、当該AFOREのアプリや窓口を通じて、残高やEstado de Cuentaを取得しやすくなります。
AFORE口座の割当状態でも、制度上は残高や取引情報を請求できる可能性がありますが、国外在住者の場合は本人確認や書類の発行方法で手続きが止まるケースがあります。
CURPとNSSが一致しないことはありますか?
あります。
CURPは人口登録を所管する機関、NSSはIMSSが管理する番号であり、異なる時期や手続きによって登録された情報が完全に一致していない場合があります。
特に、次のような方は注意が必要です。
- 1990年代からメキシコで勤務していた
- 複数回メキシコへ赴任している
- 古いFM2またはFM3で滞在していた
- 後年、新しい在留カードやCURPが発行された
- 氏名の順番やミドルネーム表記が変わっている
- 生年月日や国籍表記が誤って登録されている
- 複数のNSSが発行されている可能性がある
政府ページから現在のCURPを取得できても、そのCURPが昔のNSSと紐付いていることまでは証明できません。
IMSSには、氏名、生年月日、出生地、NSS、CURPなどの登録情報を訂正するための手続きが用意されています。不一致が判明した場合は、原因に応じてデータ訂正や複数NSSの整理を行います。
1990年代と2010年代の両方に赴任していた場合
たとえば、1993年から1997年まで勤務し、その後2012年から2015年まで再び勤務した場合、少なくとも次の点を確認する必要があります。
- 2回の赴任で同じNSSが使われているか
- 現在のCURPが両方の勤務記録に紐付いているか
- 1992年から1997年までのSAR 92資金が残っているか
- 1997年以降のAFORE拠出が同じ個人口座へ集約されているか
- 複数の個人口座が作成されていないか
複数のAFORE口座やNSSが存在する場合、単なるAFORE登録だけではすべての資金が表示されないことがあります。状況に応じて、口座統合やSAR 92資金の統合手続きが必要です。
日本からAFOREへ登録できますか?
メキシコ以外から本人がAFORE登録を行えた事例はあります。
一般的には、次の流れです。
- NSSとCURPを確認する
- オンラインにて本人登録する
- 希望するAFOREを選択する
- 顔写真や本人確認書類を提出する
- AFOREへの登録申請を行う
- 割り当て口座などから選択したAFOREへの移管を待つ
ただし、国外からの手続きでは、位置情報、電話番号、本人確認書類、アプリの配信地域などによってオンライン手続きが進まない場合があります。
オンラインにての手続きができない場合は、希望するAFOREへ直接連絡し、日本在住の外国人であることと、割り当てられた口座を登録したいことを伝える必要があります。
帰国した日本人はAFOREを全額還付してもらえますか?
メキシコから帰国したことだけを理由として、AFOREの全額をいつでも自由に引き出せるとは限りません。
AFORE資金の払出し条件は、IMSSの加入状況、年金の権利、Negativa de Pensiónの有無、資金が入っているサブアカウントなどによって異なります。
そのため、まず行うべきことは「還付申請」ではなく、次の情報整理です。
- 本人のCURP
- NSS
- AFOREの管理先
- 現在の残高
- 各サブアカウントの内訳
- IMSSの加入週数
- SAR 92資金の有無
- 年金またはNegativa de Pensiónの取得可能性
これらを確認したうえで、現在申請できる手続きを判断します。
「AFORE口座がある」ことと、「現在その全額を受け取れる」ことは同じではありません。
AFORE確認でよくある質問
Q.CURPのPDFを取得できれば、NSSとも紐付いていますか?
必ずしも紐付いているとは限りません。
CURPのPDFを取得できることは、そのCURPが政府の登録システム上に存在することを示します。ただし、IMSSが保有する昔のNSSや氏名情報と一致しているかは、別途確認が必要です。
Q.NSSを忘れた場合でもAFOREを探せますか?
CURPでAFOREの所在が見つかる場合があります。ただし、IMSS加入者が一度もAFOREへ正式登録していない場合は、NSSによる検索が推奨されるケースがあります。
そのため、AFOREの所在地がCURPで確認できた場合でも、後の登録や記録確認のためにNSSを特定しておくことをおすすめします。
Q.Prestadora de ServiciosはAFOREの会社名ですか?
通常の意味で本人が選択するAFORE会社とは異なります。
本人がAFOREへ正式登録していない口座などを、制度上暫定的に管理する仕組みです。希望するAFOREを選択して正式登録すると、資金がそのAFOREへ移管されます。
Q.1995年からメキシコで働いていた場合、SAR 92の対象ですか?
1992年5月から1997年6月までIMSSに加入していた期間があれば、SAR 92に関係する資金が存在する可能性があります。
ただし、実際に拠出されていたか、すでに現在のAFORE口座へ統合されているかは、Estado de Cuentaや当時の資料を確認する必要があります。
Q.AFOREが見つかれば、すぐに還付できますか?
すぐに全額を受け取れるとは限りませんが必要な手続きを踏めば還付は可能な場合が多いです。
AFOREの所在確認、正式登録、残高確認、加入記録の整理、払出し要件の確認は、それぞれ別の段階となります。
RASK ConsultingのAFORE確認・手続き支援
1990年代など、長期間前にメキシコへ赴任していた方のAFORE確認では、現在のオンライン手続きだけで情報が揃わないことがあります。
RASK Consultingでは、次のような支援を行っています。
- CURP・NSS・AFORE情報の整理
- AFORE口座の所在確認
- Prestadora de Serviciosと表示された場合の手続き案内
- 過去の給与・IMSS資料の確認
- SAR 92に関する確認事項の整理
- AFOREおよび関係機関へのスペイン語での問い合わせ支援
- AFORE登録やEstado de Cuenta取得に必要な書類の確認
- 国外からの手続きに関する進捗管理
実際の登録、本人確認、データ訂正、資金の払出しには、本人による申請や署名が必要になる場合があります。また、資金の受取可否は、年齢、加入記録、口座状況および関係機関の審査によって異なります。
1990年代にメキシコへ赴任していたものの、NSSやAFOREが分からない方は、お手元にある資料と勤務期間を整理したうえでご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の年金・払出し・法的権利を保証するものではありません。制度や必要書類は、本人の状況および関係機関の判断によって異なります。


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