「メキシコの会計プロセス」について

1. はじめに

こんにちは。今回はメキシコの「会計プロセス」について説明をしたいと思います。

現在、様々な日系企業様とお話をさせていただいておりますが、その中で「社内制度の見直し」や「業務内容の最適化」を進めている会社様が多いという印象を持っています。最近の日系企業の動向については、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。

こうしたタイミングで改めて自社の会計を見直してみると、「過去から残っているよくわからない勘定科目」や、「ずっと精算されていない前受け金・前払い金」が放置されているケースが少なくありません。

メキシコでは、日本人管理者が会計を大まかにでも理解していなければ、現地経理担当者による不正や業務のブラックボックス化に気が付きにくくなってしまいます。今回は、経営者や駐在員の皆様に、ざっくりとメキシコの会計プロセスを理解していただけるよう分かりやすく解説します。

2. メキシコの大まかな会計月次プロセス

メキシコの1か月の一般的な会計プロセスは、大枠で見れば日本と似ていますが、税務当局(SAT)へのデータ提出や、電子インボイス(CFDI)の紐付けというメキシコ特有の重要なステップが存在します。

一般的なスケジュール感は以下の通りです。

時期業務内容
月中経理部門が各部署からデータ(領収書・請求書等)を回収し、記帳を行う。
※すべての仕訳に電子インボイス(CFDI)のデータ(UUID)を紐付ける作業が並行します。
翌月1〜2営業日先月分の銀行口座の動き(動き、着金、送金)をすべて記帳し終える。
翌月上旬財務諸表の作成に移る(減価償却の計上や、社会保険料【IMSS】・給与税などの計上・確認)。
翌月中旬各種税金の計算(主要なものとして、月次の法人税暫定支払い【ISR】、付加価値税【IVA】など)。
翌月末までDIOT(第三者取引情報申告書)の提出
仕入先へのIVAの支払い状況などをまとめた報告書を、毎月月末までにSATへ提出します。
翌々月の3日まで電子会計(Contabilidad Electrónica)の提出
勘定科目表や月次試算表などの会計データを指定のXML形式で作成し、SATの公式ポータルを通じて提出します(法人の場合、翌々月の最初の3日以内が期限です)。

3. 会計に関するチェックポイント

現在は「毎月問題なく会計提出ができている」という会社様でも、今後の安定した運用のために、以下のポイントを定期的にチェックしておくことを強くおすすめします。

  • 経理マネージャーが突然辞めても、業務が回る状態になっているか?
  • 現地スタッフの間で業務がブラックボックス化(属人化)していないか?
  • 「外部監査を入れているから安心」という理由で、社内での月次レビューを怠っていないか?
  • 自社独自の会計・経費精算ルールが明文化され、浸透しているか?

メキシコでは経理人材の流動性が高いため、「その人にしか分からない」状態を作らないことがリスクマネジメントの鉄則です。

4. まとめ

メキシコの税務・会計においては、提出の遅延や重大なミスがあると、高額な罰金が科されたり、後からの修正申告による余計な工数(コスト)が発生したりします。

こうしたリスクを最小限に抑えるためには、属人的な運用から脱却し、「組織の構築」や「業務の標準化(マニュアル化)」を進めることが不可欠です。

本日は以上となります。

もし「自社の会計プロセスに不安がある」「現地スタッフの業務を可視化したい」「組織構築を進めたい」という企業様がおられましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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